結婚指輪に限らず、ブライダル業界で販売単価を引き上げるために、「一生に一度のことですから」「一生モノですから」などとささやかれることがあります。だから、逆に購入する側は「一生モノ」などと考えずにリラックスして選べば良いのですが、結婚指輪はしっかり作られたものなら本当に一生使うことも可能です。何しろローマ―時代の結婚指輪(銀製)が残っているくらいですから。そのようにずっと使える結婚指輪の選び方を考えてみましょう。
まず最初のポイントは、シンプルで飽きの来ないデザインの結婚指輪を選ぶこと。今流行のかっこいいデザインで、10年後に恥ずかしくなく着けられるものはかなり少ないと思います。その一方で、結婚指輪には何十年も変わらないシンプルな定番デザインがたくさんあるので、それらの中で選べば間違いありません。
また、長く使うためには耐久性も必要なので、ある程度の厚みとボリュームは不可欠だとお考えください。そしてシンプルなデザインだからこそ、全体のフォルムが美しい指輪を選びましょう。指輪は正面からだけではなく横から眺めても美しいことが選び方のポイントです。
次に、着け心地の良い指輪であること。結婚指輪は着けっぱなしの指輪なので、指が違和感を覚えるようでは困ってしまいます。指あたりの柔らかい、優しくなめらかなつけ心地(内甲丸)の指輪を選びましょう。こればかりは、実際に指輪を着けてみないとわからないので、いろいろ試してみると良いでしょう。
そして、とても重要なのがサイズ調整(サイズ直し)の出来る結婚指輪であることです。左手くすり指のサイズも10年単位で考えれば、変化があっても不思議ではありません。だから、どこでも容易にサイズ調整が出来る指輪であることは、長く使うためにとても大切なことです。プラチナとゴールドがコンビになった複雑なデザインや、パラジウム、チタン、タンタル等特殊な素材の結婚指輪には、簡単にサイズ調整の出来ないものが多いので要注意です。本来、貴金属の指輪は世界中いつでもどこでも、サイズ調整等の加工が可能なもので、それも普遍的な価値の一つだと思います。当社でも、20年近く愛用された結婚指輪のサイズ直しをしていますし、その指輪はどこでも同様に加工できるのです。
一方でブランドによっては、サイズ直し等の生涯保証をアフターサービスとして強調しているところもありますが、そんなことが本当に実現可能でしょうか。今後人口動態の変化で婚姻数は減少し、ブライダル市場は大幅に縮小します(2018年の婚姻数は2000年と比べて約40%減少しています)。そのため、今から20年後には存続している結婚指輪のブランドが半減しても不思議ではないのです。実際、既にサービスが不可能になった事例が発生しています、全く裏付けのない無料サービスよりも、指輪の本質的な価値を重視することが、ずっと大切なことですね。
くすり指にしっくり馴染んだ結婚指輪は、人生を共に歩む大切なパートナーのような特別な存在です。いろいろ考えながら、自分たちにふさわしい結婚指輪を、ゆっくり選んでくださいね。
(文責 GNH代表 渡部 博行)